【注目ポイント】
★中国で就労していない回答者のうち7割が「駐在へ同行するために退職をした」と回答。
★就労意欲は高い一方、言語など不慣れな環境や、駐在員の勤め先の規制などが、現地就労をしない理由。
★同行してきた家族が望む制度や環境として、「ブランク後も働きやすい仕事の紹介」「就労や再就職に関する情報の充実」などが挙がった。
-------------
私たちキャリアカフェ中国はこの夏、中国転勤に同行している駐在同行家族を対象に、就労状況等に関するアンケートを行いました。回答者の現在の状況は「専業主婦/主夫」が約8割でした。一方、日本国内では共働き世帯の数が年々増加しており、内閣府の調査によると夫婦のいる世帯のうち約7割にのぼります。両者の状況には大きなギャップがあることが判明しました。
また、その専業主婦/主夫を含め、中国で就労していない回答者のうち7割は、「駐在へ同行するために退職をした」と回答しています。自身のワークキャリアを中断して、同行を決断した家族の姿が浮かび上がりました。
就労できないことによるストレスについては、このような声が寄せられました。
【喪失感や無力感、母親/妻業しかないこと】
●社会経済から断絶される想い。一方で夫はキャリアを積んで羨ましい。
●母親業しかない、家族の話しかできない。
【金銭的自立がない、それに伴う夫婦間のパワーバランスの変化】
●(中国の電子決済サービスである)アリペイで家計やお小遣いを送金してください、と申告制である家庭内での肩身の狭さ。
●日本では夫と対等だったのに、今は夫が上位で、妻は夫を立てないといけないかのように感じること。働いていないから、家事育児が全て私の役割だと押し付けられているように感じること。
【再就職・復職への不安、働けないこと自体がストレス】
●ブランクができてしまい、本帰国後に希望するような仕事に就けるかどうかが不安。
●就労してないなら何してるの?と羨ましがられること。就労している人たちが羨ましいし、お金を稼げていないことや、仕事を共にして築ける人間関係が持てないことがストレス。
また、今後「働く意思がある」という旨の回答は、回答者全体の8割にのぼりました。
滞在中に働くという選択肢もありますが、 中国語の壁や子育てを頼れる人が少ないなど、海外の特殊な環境に加え、配偶者勤務先の規則、就労ビザの取得が必要なこと等が、中国で働いていない理由として挙がりました。
同行してきた家族に対して望む制度や環境については、「ブランク後も働きやすい仕事の紹介」「就労や再就職に関する情報の充実」などが挙がりました。
駐在同行家族は「駐妻」「駐夫」として、華やかで悠々自適に見られることもしばしばあります。でも現実は、悩みやモヤモヤを抱えた人も少なくないようです。
キャリアカフェ中国では、今回のアンケート結果をいかして、社会や企業への働きかけ、イベント企画などにチャレンジしていきます。
-------------
●アンケート結果の詳細は下記のPDFよりご覧ください。
駐在同行家族の現状アンケート結果一覧(キャリアカフェ中国).pdf
●拡散大歓迎です
その際は「キャリアカフェ中国」によるアンケートであることの明記をお願いいたします。
●報道機関・マスコミ、企業や法人の皆様へ
取材や引用・転載などに関するお問い合わせは、こちらへお願いいたします。careercafe.shanghai@gmail.com
インタビューを受けられる人物のご紹介なども可能です。
-------------
●アンケート概要
アンケート名 :「駐在同行家族の現状について」
調査期間 :2024年7月23日~8月13日
アンケート対象:現在、中国駐在に同行しているご家族・パートナー(成年に限る。就労の有無や滞在年数は不問)
アンケート方法:Googleフォーム
回答者数 :235人
※今回のアンケートデータに関する著作権はキャリアカフェ中国にあります。改変、編集、誹謗中傷等はお控えください。
0コメント